離婚後の生活を想像してみましょう
離婚によって困ることは多かれ少なかれ誰にでも出てきます。「じゃあ離婚しなければいい」という問題ではありませんよね。離婚後に「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、前もって考えられることは想定しておきましょう。
離婚によって考えられる問題点は以下の6つとなります。
- 離婚後の生計
- 仕事
- 子供の育児
- 税金、保険、年金
- 住む場所
- 親の介護
離婚後の生計
養育費・財産分与・慰謝料を払う立場なのか、貰う立場なのかで状況が変わってきます。
貰う立場であればさほど問題とはなりません。自分の収入と含めてどのような生計を立てていくか計算してみましょう。生活費として足りないようなら協議の時点で必要な金額を提示しておきます。
問題は払う立場だったとき。養育費を貰うのは子供の権利、財産分与は夫婦の権利、慰謝料は自分が犯した罪の過ちとしてどれも払わなければいけないものです。しかし自分自身も生活していくことを考えなければいけません。生活していくことができないとなれば金額の交渉が必要です。
仕事
結婚後も仕事に就いていた人は大きな問題とはなりません。結婚を機に退職して専業主婦(主夫)をやっていたという人は就職先の検討をしておきます。生活の足し程度のパート、相手の仕事の手伝いをしていたという人も同様です。
離婚後に落ち着いてから就職先を探すのもいいですが、ある程度の目星はつけておいたほうがいいですね。独身時代に働いていた職場に戻る、知り合いの職場に紹介してもらうなど。仕事がなくて生活費が稼げないとなったら一大事です。離婚後にやっぱり生活できないからといって離婚相手に生活費を要求することはできません。
なんらかの事情により仕事ができないのなら離婚前に相談しておきましょう。自分の生活が守られない状況であれば離婚を拒否することもできます。
子供の育児
監護者となる方は子供を育てながら生活していくことを考えなければいけません。普段の子供の面倒は妻に任せていたという方や、専業主婦をしながら子供を育てていたという方は、状況の変化によって最初のうちはスムーズにいかないはずです。子供の年齢にもよりますが育児をしながら働くのは大変です。
身内の協力が必要なら事前に相談しておきましょう。「両親に預ければいいだろう」と軽く考えてはいけません。何曜日の何時から何時まで預けるのか、子供は迎えにきてもらうのか預けにいくのか、朝ご飯や夕ご飯はどちらが用意するのかなど、想定できる範囲内で決めておくと相手の負担も軽くなります。
保育園を利用するにしてもやはり事前に探しておいたほうが良いでしょう。共働きの家庭が増えているため定員割れしている保育所も少なくありません。子供に慣れてもらうために離婚をする前から通わせるのも良いでしょう。生活の変化は子供にとっても大きなストレスとなります。
税金、保険、年金
年金、健康保険は新たに加入する必要があるのか。それによって毎月どれだけ支払うのかも考えておかなければいけません。各種の任意保険などもあります。何を解約して何に加入するべきか検討しておきましょう。
財産分与によって税金が発生する場合もあります。
住む場所
離婚後の住宅も重要な問題となってきます。持ち家に住んでいるのなら離婚後は夫婦のどちらが住むのか、アパートやマンションを借りる必要があるのかなど検討しておきましょう。
特に子供を引き取る側は学校のことも頭に入れておかなければいけません。生活の変化は子供にとっても重大な問題になります。転校を強要するのはなるべく避けたいものです。子供とも相談して、どうしても転校が必要になるのならちゃんと理由を説明して納得してもらいましょう。
親の介護
熟年離婚となれば親の介護も深刻な問題になってきます。すでに介護をしている状況の人もいるでしょうし、もしかしたらそれが離婚理由になっていることもあるでしょう。
今は大丈夫でもいずれ降りかかることです。避けては通れないことなので、離婚の決意と同時に考えなくてはいけません。
離婚しても生活を続けられるか
離婚は感情の問題に加えて実際に生活していけるかの問題も大きく関わってきます。経済的な問題、育児の問題など決して目をそむけてはいけないことです。周囲の人間に迷惑をかけてしまうことも考えられるので、できる限りの努力をしていかなければなりません。
代表的な問題について考えてみましたが、離婚は精神面でも生活面でも大きな変化を及ぼします。家族という形を解消するわけですから多くの困難が降りかかるのも仕方がありません。ここで落ち込んでいては何も進みません。
離婚をするのならこれからの人生に希望を持って、困難に立ち向かうだけの気力を蓄えておきましょう。
今の生活は恵まれている?
離婚をすることによって困ったことが起きるということは、言い換えれば今の結婚生活が充実しているとも考えられます。
それは結婚の判断が正しかったと共に相手の支えがあったからこそです。離婚をするからといって、結婚したのは失敗だったと悲観的になることはありません。自分は正しい選択をしているんだと、自信を持ちましょう。この経験はこれからの人生にきっと役立ってくれます。