離婚後の生活を想定する
離婚後の生活において大きな負担となるのは生活費や家賃など金銭的な部分です。気持ちで乗り越えられる問題と現実的にどうにもならない問題があることを忘れてはいけません。
特に深刻な事態に陥る可能性が高いのは、専業主婦やパート程度の収入しかない女性です。専業主婦をしていた人がいざ仕事を始めようと思っても、経験や年齢が障壁になることがあります。パートだけでは満足のいく生活をするのも難しいでしょう。
資格や特技を持っていれば話は別ですが、全員が職に就けるほどの技術を持っているとは限りません。
生活保護で暮らせる?
いざとなったら生活保護を支給してもらって…、と考えている人もいるかもしれませんが、個人的にはあまり利口な考えとは思えません。
各自治体によっては審査基準が変わってきますが、生活保護を貰うのはそう簡単ではないと考えておいたほうが良いでしょう。最近は不正に受給する人も増えているため厳しい傾向になっています。
それに公的援助は法改正によって変わります。今は大丈夫でも5年後にはどうなっているか誰にも分りません。できることなら他人任せの考えは捨てて、自分の力で解決したいものです。
財産分与や慰謝料で暮らせる?
扶養的財産分与といって離婚後に夫婦どちらかの生活が困難になる場合は、ちゃんと生活ができるようになるまで相手の生活を援助する取り決めができます。あくまでも一定期間を凌ぐものでずっと援助してもらえるものではありません。
慰謝料に過剰な期待をよせるのも危険です。相手が世界的有名なお金持ちならいいですが、大抵の場合は数年生活できるほどの額と思っておいたほうがいいでしょう。相手の収入にも左右されますし、何らかの事情によって慰謝料が払えない状態になってしまうことも考えられます。慰謝料で生きていくのは少々無謀な考えです。
住む場所はある?
少なくとも実家に戻れる状況であれば心配はありませんが、そうでなければ住居も考えておかなければいけません。持ち家に住んでいるなら財産分与によって住み続けられるのか、新しい場所を探さないといけないのか、慎重に検討しましょう。
とりあえずアパートに住むとしても引っ越し費用やらなにやらの出費が出ます。
考えたくないことほど考えないといけない
不安な人にとっては耳に痛い事ばかり並べてしまいました。「脅かしているのか!?」と不信に思った人もいると思います。しかし、そう思った人ほど真剣に考えなくてはいけない問題です。
自分で得る収入の中からどれだけ捻り出すことができるのか。実家に帰らなければいけないのか。家賃が安いところを探さないといけないのか。どんな仕事でもやる覚悟はあるのか。子供を育てることはできるか。自分の力で生きていくことはできるのか。これらの問題が残ったままではいずれ生活は破綻してしまいます。
不安なことほど目を背けてしまいがちですが、だからこそ真っ先に向き合わなければいけません。離婚するだけでも精神的・肉体的にそうとうな負担がかかります。そんな厳しい状況のなかでどこまで実生活を過ごしていけるか、現実的な問題は離婚する前に解決していく必要があります。